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    人工内耳適応基準(2014)その2

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    2014年に改訂された人工内耳適応基準の変更点をまとめてみました。


    変更は小児の基準のみ見直されており、注目すべき変更箇所は3点です。

    まず1つ目の変更箇所は、手術年齢の低下です。
    以前までは手術年齢は1歳6カ月以上となっていましたが、この度の改訂で1歳以上(体重8kg以上)とされました。言語獲得を考えると、音の聞き取りは早ければ早いほど良く、海外の人工内耳手術を見ても1歳以上に設定している国が多いようです。
    そのため、日本でも手術年齢を1歳以上に改めたようです。

    ただし、手術はどうしても危険性を伴うものなので、平均的な1歳児の体重を10kgと考え、成長による誤差も視野に入れ体重8kg以上の制限も設けたようです。



    次に2つ目の変更箇所は、人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しないということです。
    噛み砕いていうと、人工内耳の両耳装用を認めるということです。元々、なぜ人工内耳は片耳しか装用できなかったかというと、何らかの理由により人工内耳を装用している耳にトラブルが起きてしまった場合、反対側の耳が残っていればそちらに人工内耳を移して使用できる。という考えからです。

    ですが、この度の改訂では、両耳への人工内耳も認められるようになりました。これは、両耳で音を聞いた方が言語の習得度の向上、方向感覚の獲得が片耳に比べて両耳のほうが優れていると考えられたからです。

    しかし、両耳に人工内耳手術を行う場合でも、考えておくべきことがあります。それは、手術による後遺症の可能性、今後再生医療が実現した場合、手術を行ったことにより再生医療など別の医療が行えなくなるかもしれない可能性、そして手術費用の問題です。特に手術費用は、現在の日本では人工内耳手術に伴う保険は1度しか支給されず、両耳併せて2度の手術を希望する場合は、片耳分は自費になってしまいます。
    両耳に人工内耳を希望する場合は、さまざまな問題があることを家族、医師で話し合っておく必要があります。


    最後に3つ目の変更箇所は、例外的手術適応として、低音部に残聴があるが1kHz~2kHz以上が聴取不能であるように子音の構音獲得に困難が予想される場合に手術が可能となったことです。
    低音残聴型の聴力障害の場合、平均聴力レベルでは90dB以上にならず、人工内耳の手術適応範囲には入りませんでした。しかし、近年、低音部は補聴器、高音部は人工内耳の機能を有する新しいタイプの人工内耳「ハイブリット人工内耳」が開発されました。

    これによりいままで人工内耳の手術対象にならなかった低音残聴型の聴力障害児にも人工内耳を装用することができるようになりました。


    人工内耳、補聴器ともに技術の進歩はすさまじく、新しい機械がぞくぞくと開発されています。
    今回の改訂では、社会情勢、機器の進化が反映され、手術を考えているご本人、ご家族にとっては、さらに選択肢が広がったと思います。
    今後もさらにより環境が整うよう技術の発展に期待したいですね。

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